「ひろがるスカイ!プリキュア ボーカルベスト~KIZUNA♢ダイアモンド~」収録の、エルちゃんのキャラクターソング。
作詞:こだまさおり
作曲・編曲:森いづみ
歌:キュアマジェスティ/プリンセス・エル(CV:古賀葵)
また、以下に本編で紹介する楽曲の情報を記載する。
「全力ヒーローガール!」
作詞:こだまさおり
作曲・編曲:森いづみ
歌:ソラ・ハレワタール(CV:関根明良)
(敬称略)
エルちゃんの口から語られる、ひろプリという物語。それは無限の愛に守られた、運命の少女が過ごした煌めく一年。彼女の心が弾ける瞬間、物語は大きく動き出した。
キュアマジェスティが誕生するまでのドラマ、そして、エルちゃんの内に脈打つ想いを紡いだ濃密なリリックが印象的な楽曲。そのリリックを引き立てるのは、ひと欠片の迷いもない、ノンストップで奏でられる勇壮なメロディ。「皆の為」に。エルちゃんの固い決意と願いが、高い透明度で伝わってくる一曲だ。
本編中、最初にエルちゃんに手を差し伸べたのは、ソラちゃん。それだけに、エルちゃんの内にあるソラちゃんの存在は、計り知れない程大きなものだろう。そんな心情を反映してか、守られる時間が長かったキャラクターとしては異例とも思えるほど、そのメロディには「ヒーローソング」の雰囲気が漂う。
ひろプリのキャラクターソングにおける「ヒーローソング」と言えば、ソラちゃんが歌う「全力ヒーローガール!」が記憶に新しい。疾走感と初々しさが同居した、ヒーローを目指す主人公を象徴する楽曲だ。
「全力ヒーローガール!」と「おんなじ、だいじ」には、何処となく似通った雰囲気がある。聴き比べたら全く違うメロディではあるのだが、「夢」という願いを描写するために選んだテンポや曲のスピード、疾走感。その方向性がかなりの割合で共通しているのだ。気になった方は、是非2つの曲を聴き比べて頂きたいと思う。
キャラクターの心情や歴史、これから目指していくもの、あらゆる個性が凝縮された歌がキャラクターソングだ。だとすれば、エルちゃんが秘める気持ちはどんなものだろう。
力になりたい。守ってくれた皆の。
手を差し伸べたい。ぬくもりをくれた皆へ。
戦いたい。愛をくれた皆の為に。自分を救ってくれたヒーロー、ソラちゃんの様に!
この楽曲の根底には、エルちゃんが抱くソラちゃんへの憧れがあるのではないだろうか。だからこそ、「全力ヒーローガール!」が放つ雰囲気を「おんなじ、だいじ」も纏っている。また、それを表現したいからこそ勇壮なメロディにすることを選んだのではないかとさえ感じられるのだ。他のメンバーのキャラクターソングも勿論素晴らしいが、この一点においては一線を画している。
「おんなじ、だいじ」という曲名もまた、エルちゃんの想いを表すのに一役買っている。が、あえて本記事では触れはしない。ひろプリを見た後、その意味に思いを馳せて欲しい。
一人の少女のドラマが、「おんなじ、だいじ」に詰まっている。そこには、彼女が初めて目の当たりにしたヒーローの姿が刻まれている。
エルちゃんが見た、ひろプリの物語。それは運命の少女が、愛とぬくもりの中で歩んだ一年。
温かな時に育まれた心が弾ける瞬間を、楽曲で、本編で、目の当たりにして欲しい。
ヒーローを生むのはいつだって、ヒーローなのだから。