「スイートプリキュア♪ ボーカルアルバム1~とどけ!愛と希望のシンフォニー~」収録曲。
作詞:六ツ見純代
作曲・編曲:高梨康治
歌:黒川エレン/キュアビート(豊口めぐみ)
(敬称略)
唸るギターの咆哮により、聴く者の心も叫びを上げる。荒ぶる魂の調べが、彼女のステージの幕開けだ。全体的にアップテンポで、様々な楽器の旋律が交錯するハイテンションな楽曲。
友との絆を歌った楽曲であり、歌詞全体にそのことが表現されている。だが、真に注目すべきは音の構成だ。
スタートこそギターが前面に出ているが、Aメロ→Bメロ→サビと曲が進むにつれて、ギターは一歩ずつ後ろに引き始める。
サビに至っては、主役は打楽器、締めは鍵盤楽器。ギターは完全に脇役に徹している。ギターはキュアビートのシンボル。彼女の象徴たる楽器が、歌の花形たるサビにおいて裏方に徹しているのだ。
このことが何を意味しているか。
思うにそれは、独りで走ってきたキュアビートの、友を得たことによる心情の変化。
心を繋いだ仲間を大事にしたい、彼女達を支えたい。そんな思いによって、キュアビートはあえて一歩立ち位置を引いた。
友の、仲間の力になりたいと願う彼女の心情を、ギターの扱い方ひとつで表現しているのだ。実際そのおかげで、様々な楽器のハーモニーがこの楽曲のクオリティを格段に上昇させる結果になっている。
キュアビートの成長譚を、歌詞のみならず楽器のマジックによって見事に表現した良曲。プリキュア音楽の奥深さは、本当に計り知れない。