「ふたりはプリキュア Vocalアルバム DUAL VOCAL WAVE!~ありったけの笑顔で~」収録曲。
作詞:青木久美子
作曲・編曲:佐藤直紀
歌:Dark Singers
(敬称略)
夜の帳が下りた時、奴らは地の底から顔を出す。不安を煽る鐘の音と、昏く重厚な歌声が肺腑に重く圧し掛かる。「Dark Singers」が放つ濃密かつ良質なコーラスが聴き手を惹きつけ、その心に深い爪痕を残す。
それは、他のプリキュア楽曲とは明らかに一線を画したものだ。
この歌には、希望や救済といったものが一切存在しない。プリキュアシリーズには和解の余地のある悪が一定数存在するが、その曲名が示す通り、この楽曲に登場する者達は、ただただ全てを闇に堕とそうとする「絶対悪」だ。
聴き終えた後に残るのは、絶望と恐怖だけ。それはきっと、敵組織の大群と対峙した一般市民の心を染め上げる感情。
そして彼らは、絶望を払うために戦う少女たちの存在を知らないのだ。力を持たない民衆が予感するのは、破滅へと向かう世界の姿。
悪の美学を極限まで凝縮させた、独特の存在感を放つ必聴の一曲。
プリキュアのいない闇の世界を、味わってみては如何だろうか。