HALの各種感想・レビュー置き場

プリキュア曲のレビュー・各種感想等を気ままに書いています。

【プリキュア楽曲レビュー】Vol.186「DARKNESS」

「ふたりはプリキュア Vocalアルバム DUAL VOCAL WAVE!~ありったけの笑顔で~」収録曲。

作詞:青木久美子

作曲・編曲:佐藤直紀

歌:Dark Singers

(敬称略)

 

夜の帳が下りた時、奴らは地の底から顔を出す。不安を煽る鐘の音と、昏く重厚な歌声が肺腑に重く圧し掛かる。「Dark Singers」が放つ濃密かつ良質なコーラスが聴き手を惹きつけ、その心に深い爪痕を残す。

それは、他のプリキュア楽曲とは明らかに一線を画したものだ。

この歌には、希望や救済といったものが一切存在しない。プリキュアシリーズには和解の余地のある悪が一定数存在するが、その曲名が示す通り、この楽曲に登場する者達は、ただただ全てを闇に堕とそうとする「絶対悪」だ。

聴き終えた後に残るのは、絶望と恐怖だけ。それはきっと、敵組織の大群と対峙した一般市民の心を染め上げる感情。

そして彼らは、絶望を払うために戦う少女たちの存在を知らないのだ。力を持たない民衆が予感するのは、破滅へと向かう世界の姿。

悪の美学を極限まで凝縮させた、独特の存在感を放つ必聴の一曲。

プリキュアのいない闇の世界を、味わってみては如何だろうか。

 

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