プリキュア20周年記念ソングにして、「キボウノチカラ~オトナプリキュア‘23~」OP主題歌。
作詞・作曲:水野良樹
編曲:島田昌典
歌:いきものがかり
(敬称略)
静かに始まるメロディはすぐに、明るく開放的な調べに変わる。それは聴く者の心を高鳴らせ、こうありたいという憧れや理想を具現化したような旋律。
だがそんな旋律とは裏腹に歌詞が描くのは、理想と現実の壁にぶつかった人間の姿。思い描く自分とリアルな自分との乖離に歯噛みする、等身大の人間の姿。
「理想」を描いたメロディと、「現実」を描いた歌詞。正反対の物を、一つの楽曲の中で絶妙に表現しているのだ。
この楽曲の主人公は、何度も落ち込み、そのたびにもがく。誤解を恐れず言えば、「泥臭い」姿を見せている。基本的に子どもが対象であるプリキュアソングにおいて、ここまで踏み込んだ描写はなかなかできない。
「オトナプリキュア」という作品の主題歌だからこそ成し得たことだろう。それによってこの楽曲は、数多あるプリキュアソングの中でもオンリーワンの輝きを放っている。
そして、現実に苦しみながらも自ら立ち上がり、明日へ向かって歩む主人公の姿は、我々が幾度も見せつけられてきた「プリキュアの魂」を宿した者の姿。
少年少女は、いつか大人になる。プリキュア達だってそれは同じだ。この楽曲はきっと、彼ら、彼女らが大人になるまでの一ページ。