「スマイルプリキュア!ボーカルベスト」収録の、キュアピースのキャラクターソング。
作詞・作曲・編曲:塚本けむ
歌:キュアピース(CV:金元寿子)
また、本記事で紹介する楽曲の情報を記載する。
「Endless Torch」
作詞:六ツ見純代
作曲・編曲:中山崇史
歌:キュアスカーレット(CV:沢城みゆき)
(以上、敬称略)
平和な日々はいつだって、弾ける笑顔に満ちている。
聴き手の耳をくすぐる金元寿子さんの歌声、スキップをしたくなるような心持ちになるリズム、楽曲の程よいスピード。それらが混然一体となり、太陽の光が降り注いだかのような温かさを、この楽曲は聴き手の心に与えてくれる。
そんな温かさの中で描かれるのは、キュアピース=やよいちゃんの物語。頼りなかった彼女が強く、凛々しく、決して折れない心を持った、大きな存在になっていくまでのストーリーだ。
多くのプリキュアがそうであるように、やよいちゃんもまた、仲間とのふれあいによって成長を遂げた女の子だ。その過程を知りたい方は是非本編を見て頂きたいのだが、楽曲の歌詞からもそれが伺い知れる。
彼女はスマプリチームの仲間から、数えきれないほど多くの物をもらった。それらの全てが、彼女を、彼女の心を強くした。歌詞に描かれたやよいちゃんはひたすらに前向きだが、当初の彼女はそうではなかった。この楽曲は、1年を通して彼女が受け取った物に対するアンサーソングとしての一面もある。
ボーカルベスト(1月発売)に収録された楽曲であるため、キャラソンで表現されるものは1年間の集大成であることが多い。それでも、ネタバレにならない程度にキャラを描いているのがキャラクターソングというコンテンツだ。
あくまで、「匂わせ」程度に描写をとどめている。「Endless Torch」などが良い例だろう。キュアスカーレットというキャラの核心に触れつつも、ネタバレをされたという思いにはならない。むしろ、このキャラのことを、このキャラが出演するシリーズをもっと知りたいという気持ちにさせてくれる楽曲になっている。
この楽曲を聴いてからスマプリを見るということは、やよいちゃんのライジングを知るという楽しみ方もできるということだ。楽曲自体にネタバレ要素が無いので、ストーリーを楽しむ上でも悪影響はない。
そんな濃密なメッセージを持ったこの楽曲は、それでも最後まで明るく、平和に進行していく。彼女が歩んできた物語は、誰もが描くことのできる物語であることを示すかのように。曲のタイトルが示している。平和な日々―Peaceful days―を生きる全ての人に、熱い成長のドラマが必ずある。皆に誇れる物語が、誰の心にも眠っている。
それを思い出した時、零れる、弾ける。あなたにとっての、最高の微笑みが。