HALの各種感想・レビュー置き場

プリキュア曲のレビュー・各種感想等を気ままに書いています。

【プリキュア楽曲レビュー】Vol.213「キラリ☆100カラットの奇跡」

「魔法つかいプリキュア!ボーカルベストアルバム てのひらのおくりもの」収録曲。

作詞:青木久美子

作曲・編曲:高木洋

歌:キュアミラクル(CV:高橋李依)・キュアマジカル(CV:堀江由衣)

(敬称略)

 

小さな一歩が生み出す、無限大の奇跡。

音という名の宝石が、耳に優しく流れ込む。それは心を照らすともし火となり、聴き手の芯をじんわりと温めてくれる。スピード感も伴った、ハートウォーミングなメロディが魅力的な一曲だ。

まほプリというシリーズのキャラクターソングなだけあって、宝石の名前があちらこちらに散りばめられている。本編に登場した変身形態の名前が次々に紡がれ、懐かしきあの決め台詞へと集約していく楽曲の流れの美しさ。それはこれ以上ない程、シリーズを象徴したものだと言えるだろう。

「カラット」とは、重さの単位。エンゲージリングのダイヤモンドも、1カラットに達することは稀だそうだ。タイトルにもある「100カラット」の奇跡がどれほど重く、大きな意味を持つかが伺い知れる。

だが、その奇跡が突然に舞い降りることは、無い。小さな一歩、零してきた涙、悩み苦しんだ日々の記憶。その積み重ねが大きな奇跡を生むのだということが、歌詞の中に刻まれている。

もっとも、それが窺い知れる部分はほんの2、3フレーズ。油断していれば聞き流してしまうかもしれないほど僅かなものだ。

だが、これはプロの、それも一流のプロの紡いだリリックだ。無駄なフレーズはあり得ない。全てのフレーズに意味と、意図が必ず存在する。何気ない一言に、曲全体を通じたテーマが仕込まれている場合だってあるのだ。

歌詞を読んで感じた先述の感想は、あくまで自分の意見に過ぎない。本当のメッセージは、もしかしたら違う所にあるのかもしれない。

大切なことは、楽曲に込められた作り手の想いを、聴き手が能動的に探そうとすることだ。

発信された作品をただ受け取るだけではつまらない。聴き手がそれを咀嚼し、作り手の想いやメッセージを想像するからこそ、音楽は楽しいのではないだろうか。少なくとも自分は、そう思う。

まほプリを象徴するキャラクターソングであると同時に、プリキュアシリーズを代表する作詞家である、青木久美子さんの高いスキルを垣間見ることができる楽曲の一つが、この歌だ。

たった一言に込められた無限大の想いが、そこにある。

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.212「おんなじ、だいじ」

「ひろがるスカイ!プリキュア ボーカルベスト~KIZUNA♢ダイアモンド~」収録の、エルちゃんのキャラクターソング。

作詞:こだまさおり

作曲・編曲:森いづみ

歌:キュアマジェスティ/プリンセス・エル(CV:古賀葵)

 

また、以下に本編で紹介する楽曲の情報を記載する。

「全力ヒーローガール!」

作詞:こだまさおり

作曲・編曲:森いづみ

歌:ソラ・ハレワタール(CV:関根明良)

(敬称略)

 

エルちゃんの口から語られる、ひろプリという物語。それは無限の愛に守られた、運命の少女が過ごした煌めく一年。彼女の心が弾ける瞬間、物語は大きく動き出した。

キュアマジェスティが誕生するまでのドラマ、そして、エルちゃんの内に脈打つ想いを紡いだ濃密なリリックが印象的な楽曲。そのリリックを引き立てるのは、ひと欠片の迷いもない、ノンストップで奏でられる勇壮なメロディ。「皆の為」に。エルちゃんの固い決意と願いが、高い透明度で伝わってくる一曲だ。

本編中、最初にエルちゃんに手を差し伸べたのは、ソラちゃん。それだけに、エルちゃんの内にあるソラちゃんの存在は、計り知れない程大きなものだろう。そんな心情を反映してか、守られる時間が長かったキャラクターとしては異例とも思えるほど、そのメロディには「ヒーローソング」の雰囲気が漂う。

ひろプリのキャラクターソングにおける「ヒーローソング」と言えば、ソラちゃんが歌う「全力ヒーローガール!」が記憶に新しい。疾走感と初々しさが同居した、ヒーローを目指す主人公を象徴する楽曲だ。

「全力ヒーローガール!」と「おんなじ、だいじ」には、何処となく似通った雰囲気がある。聴き比べたら全く違うメロディではあるのだが、「夢」という願いを描写するために選んだテンポや曲のスピード、疾走感。その方向性がかなりの割合で共通しているのだ。気になった方は、是非2つの曲を聴き比べて頂きたいと思う。

キャラクターの心情や歴史、これから目指していくもの、あらゆる個性が凝縮された歌がキャラクターソングだ。だとすれば、エルちゃんが秘める気持ちはどんなものだろう。

力になりたい。守ってくれた皆の。

手を差し伸べたい。ぬくもりをくれた皆へ。

戦いたい。愛をくれた皆の為に。自分を救ってくれたヒーロー、ソラちゃんの様に!

この楽曲の根底には、エルちゃんが抱くソラちゃんへの憧れがあるのではないだろうか。だからこそ、「全力ヒーローガール!」が放つ雰囲気を「おんなじ、だいじ」も纏っている。また、それを表現したいからこそ勇壮なメロディにすることを選んだのではないかとさえ感じられるのだ。他のメンバーのキャラクターソングも勿論素晴らしいが、この一点においては一線を画している。

「おんなじ、だいじ」という曲名もまた、エルちゃんの想いを表すのに一役買っている。が、あえて本記事では触れはしない。ひろプリを見た後、その意味に思いを馳せて欲しい。

一人の少女のドラマが、「おんなじ、だいじ」に詰まっている。そこには、彼女が初めて目の当たりにしたヒーローの姿が刻まれている。

エルちゃんが見た、ひろプリの物語。それは運命の少女が、愛とぬくもりの中で歩んだ一年。

温かな時に育まれた心が弾ける瞬間を、楽曲で、本編で、目の当たりにして欲しい。

ヒーローを生むのはいつだって、ヒーローなのだから。

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.211「KIZUNA♢ダイアモンド」

「ひろがるスカイ!プリキュア ボーカルベスト~KIZUNA♢ダイアモンド~」表題曲。

作詞:青木久美子・六ツ見純代

作曲:馬瀬みさき

歌:吉武千颯(コーラス:北川理恵・Machico)

 

また、本記事で紹介する楽曲の情報を以下に記載する。

「Daybreak song」

作詞:マイクスギヤマ

作曲:高木洋

編曲:馬瀬みさき

歌:石井あみ・北川理恵・Machico・吉武千颯

 

「雫のプリキュア」

作詞:只野菜摘

作曲:高木洋

編曲:馬瀬みさき

歌:キュア・カルテット(五條真由美、うちやえゆか、工藤真由、宮本佳那子)

(以上、敬称略)

 

「ひろがるスカイ!プリキュア」のラストを飾る、感動のカーテンコール。ひろプリチームが歩んだ一年を締めくくる、最高のエンドロールが眼に浮かぶようだ。

エンドロールという言葉は、比喩ではない。この曲のイメージは正に、大作映画のエンドロールそのものなのだ。アルバムを聴いた方の大半は、ひろプリを最終回まで見た方のはず。だとすれば、この言葉の意味が分かるだろう。彼女たちが歩んだ物語のエンディングに、この楽曲程ふさわしい歌は無い。

目を閉じると、蘇ってくる。ソラちゃんが、ましろちゃんが、ツバサくんが、あげはさんが、そしてエルちゃんの姿が。一人一人が悩み、笑い、迷いながら、奮闘してきた1年が。プレイバックしていく思い出の数々が、ひろプリが終ってしまったのだという事実を我々に突きつける。

だが、それでいい。どんなものにも終わりはある。物語が向かう先は、いつだって結末なのだ。ファンの心に区切りをつける歌としても、この楽曲は機能している。

楽曲に関わるクリエイターからも、制作陣のひろプリに対する思いが伝わってくる。

「ふたりはプリキュア」からプリキュア楽曲に携わるレジェンド、青木久美子さん。ここでは紹介しきれないくらい、数多い名曲のリリックを紡いできた六ツ見純代さん。プリキュア楽曲において、このお二人以上のタッグはあり得ないと言っても過言ではない。そこに名曲「雫のプリキュア」、最終決戦を最高地点まで盛り上げた「Daybreak song」が記憶に新しい、馬瀬みさきさんのメロディが折り重なる。ひろプリの終わりを力の限りに飾りたいというスタッフの願いが、我々の心に突き刺さる。

この楽曲について、声を大にして伝えたいことがある。

「KIZUNA♢ダイアモンド」こそ、「ひろがるスカイ!プリキュア」という作品そのもののED主題歌だ。

「ひろがるスカイ!プリキュア」の集大成が「KIZUNA♢ダイアモンド」だ。この楽曲をひろプリ視聴の入口に繋げてもいいかと思うが、この楽曲が輝くのは、ひろプリを完走した後に聴いた時ではないだろうか。

ひろプリに人生を変えられ、プリキュアに魅了され、これまで210曲に渡ってプリキュア楽曲レビューを執筆してきた自分にとって、この楽曲は特別の中の特別だ。

ひろプリチームが走り続けた道程が、ありのままに描かれているから。

彼女たちが今日まで紡いできた絆が煌めいているから。

歌の中に、皆がいるから。

この楽曲を入口にしてひろプリを見た方は、完走した後にもう一度、改めて耳を傾けて欲しい。それが、ひろプリを愛する一プリキュアファンとしての、切なる願いだ。

ひろプリ本編は、最高の結末を迎えた。この楽曲の発表はその3日後、1月31日。

カーテンコールが、始まる。今日、ひろプリは本当のエンディングを迎える。

ひろプリチームに、ひろプリスタッフに、あらん限りの花束を。

眩い時間を、ありがとう。

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.210「イマジネーション☆ハレーション☆彡」

「スター☆トゥインクルプリキュア イメージソングファイル」収録の、ひかるちゃんのキャラクターソング。

作詞:六ツ見純代

作曲・編曲:菊谷知樹

歌:星奈ひかる(CV:成瀬瑛美)

(敬称略)

 

今始まる、ひかるちゃんのオンステージ。キャラクターソングの極致がここにある。

ひかるちゃんが歌い、踊る。どう聴いたって、その歌声は「成瀬瑛美さん」ではなく「星奈ひかるちゃん」なのだ。アニメファンが思い描くキャラソンの理想形が、これでもかという程に凝縮されている。

ポップで明るいそのメロディは、どこかメルヘンチック。この楽曲を歌うひかるちゃんは、本当に楽しそうだ。曲中におけるキャラの再現度が余りにも高く、スピーカーから彼女自身が飛び出してくるのではないかと錯覚してしまう。それは、プリキュア楽曲では珍しいラップパートにもよく表れている。「スター☆トゥインクルプリキュア」の主役は、正にこの歌の通りの子なのだ。そういう意味では、本編の予習にもうってつけの楽曲とも言える。

歌詞も、キャラの表現にかなりの比重を置いている印象だ。一言一言が「ひかるちゃんならこのセリフしかない!」というものばかり。加えて、言葉の響きとメロディが非常に高いレベルでシンクロしているのも特徴だ。要所要所で員を踏んだり、歌声の伸びる部分とスパっと切る部分のメリハリが効いていたり、聴いていて非常に心地がいい。キャラの解像度を上げる作詞と、それをスムーズに耳へ流し込む作曲・編曲。プロの技が光る。

それを結実させるのは、成瀬瑛美さんの豊かな歌唱力だ。

キャラクターソングは、二つの素質を歌い手に求める。高い演技力と高い歌唱力だ。キャラクターを演じる事と、楽曲のテーマを伝える事の両方が要求される、非常に難易度の高いコンテンツなのだ。だからこそ、それを両立した歌は一際強い輝きを放つ。

この楽曲は間違いなく、その二つが両立している。

ひかるちゃんの持つ明るさや前向きさ、未知のものに対するワクワクがこれでもかという程詰め込まれた歌声。その歌声を保ったまま、楽曲の世界観を余すところなく伝える表現力の高さ。珠玉の歌い手が、この楽曲をキャラクターソングの極致へと羽ばたかせる。この歌は間違いなく、プリキュア楽曲の傑作だ。

ひかるちゃんが好きな人も、成瀬瑛美さんが好きな人も、この楽曲は是非とも聴いて欲しい。

耳を傾けたらそこには、最高のステージが広がっているのだから。

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.209「GOLD ~ココロの光~」

「ハートキャッチプリキュア! ボーカルアルバム2 〜いろとりどりの花言葉〜」収録の、キュアサンシャインのキャラクターソング。

作詞:青木久美子

作曲・編曲:笹本安詞

歌:キュアサンシャイン(CV:桑島法子)

(敬称略)

 

明けない夜は、無い。必ず朝日は昇る。光はいつだって、変わらず我々を照らすのだ。

人には時に、ストレートなメッセージが必要だ。そして、それはいつでも人の心を射抜くもの。真っ直ぐすぎるほどに真っ直ぐな歌に、いつの間にか涙腺が緩む。

キュアサンシャインが歌う2曲目のキャラクターソングは、そっと心に寄り添うスローバラード。陽だまりの様に穏やかなメロディ、桑島法子さんの弾けるような明るい歌声が、聴き手に温かく降り注ぐ。ただただ優しい音の木漏れ日を、人はどのような形で受け取るのだろうか。

そこに救いを見出すのか。それとも、そんなものは綺麗事だと吐き捨てるのだろうか。

繰り返すが、この楽曲のメッセージは本当にストレートかつシンプルだ。明けない夜は無い、必ず光はやってくる。その一言に尽きると言っても過言ではない。

だからこそ、この歌は素晴らしいのだ。今がどんなに苦しくとも、希望を持つのが馬鹿らしく思えたとしても、全てが嫌になったとしても。

明日が眩しくないなんて、そんな保証がどこにあるのだろう?

晴れの日は必ずやってくる。今までだって、当たり前にやってきたはずなのだ。明るい日々が無かったなんて、そんなのは嘘だ。それはただ、太陽の存在に気づかなかっただけ。顔を上げることが、できなかっただけだ。

辛い時、俯く時、上を向けない時がある事を、この楽曲は肯定している。涙する日を受け入れ、光の差さない日々があることを認めている。認めながらも、希望を、光を信じることの大切さを全力で伝えている。

何度でも、この楽曲を聴いて欲しい。心の花が開くその時まで。

太陽のプリキュアがいつだって、あなたの心を照らしてくれるから。

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.208「イマココカラ」

「映画プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪」劇中挿入歌。

作詞:青木久美子

作曲:高取ヒデアキ

編曲:籠島裕昌

歌:プリキュアオールスターズ(キュアフローラ・キュアマーメイド・キュアトゥインクル・キュアラブリー・キュアプリンセス・キュアハニー・キュアフォーチュン)

(敬称略)

 

歌姫たちのミュージカルが今、開演する。

言葉通りだ。静寂な空間に、入れ替わり立ち代わり響き渡る7人のプリキュア達の歌声。その姿は、珠玉のミュージカルを思わせる。楽曲の進行とともに重なる彼女たちの歌声は正に、耳で味わうドリームステージだ。

目を閉じれば、浮かんでくる。スポットライトの下、歌い踊る彼女たちの姿が。舞台の上で光り輝く、彼女たちの姿が。それはあくまで空想の景色だが、音だけではなく視覚においても胸の高鳴りを感じられる、稀有な楽曲と言えるだろう。

歌詞は非常にストレート。ストレートに、「プリキュア」を表現している。プリキュアの楽曲なのだから当たり前だろう、と言われるかもしれないが、この楽曲において特筆すべきは、その歌詞の量の少なさにある。

これは、ボリューム不足ということでは断じてない。プリキュアを表現する上で、極めて無駄のない言葉選びがなされているということだ。これからプリキュアを見るという方は、この楽曲の歌詞を脳裏に刻み付けて欲しい。

一つ一つのフレーズが腑に落ちるはずだ。一つ一つのフレーズが、正鵠を射るものだったと気づくはずだ。最小限の言葉で最適かつ最高の描写がなされている。プリキュアミュージックのレジェンド、青木久美子さんの真骨頂がここにある。

プリキュア達の躍動をこれでもかというほどに視覚化する、高取ヒデアキさんの音作りも見逃せない。音は耳で聴くものという固定概念が砂の様に脆く崩れていく。スーパー戦隊の音楽でも活躍したクリエイターは、プリキュアにおいてもその実力を遺憾なく発揮している。

そして、作詞・作曲を複雑に編み込み、一つの形にする籠島裕昌さんの仕事がこの楽曲を結実させる。

歌い手、作詞家、作曲家、編曲家。楽曲の柱となる表現者達の心と技が光る一曲。プリキュア楽曲はかくも素晴らしい職人たちによって支えられているのだと、この楽曲が教えてくれる。

一見ではわからない魅力に溢れた、華やかさと「いぶし銀」な一面を併せ持った稀有な一曲だ。

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.207「うれしくて」

「映画プリキュアオールスターズF」ED主題歌。

作詞・作曲:水野良樹

編曲:蔦谷好位置

歌:いきものがかり

(敬称略)

 

降り積もった感情の欠片が、明日へと羽ばたく力になる。

静寂の中、囁くような歌声から楽曲は始まる。凪のような気持ちで耳を傾けたら、直後に押し寄せるエモーションの奔流。一気に粟立つ心が、歌から離れることを許してはくれない。たった1フレーズで聴き手の心を引きずり込む、トップシンガーのみが持つ絶対的な力を象徴するファーストインプレッションだ。

全体的に、曲調は穏やか。舞い落ちる粉雪のように、ゆっくりと、深々と、楽曲は進む。少しずつ降り積もる、様々な感情の欠片たち。雪が地面を覆い隠すように、それらは聴き手の心を満たしていく。想いが詰まった心はやがて脈打ち、解放の場所を求めはじめる。それでも歌は止まらない。そして心はついに、弾ける。

溢れ出したエネルギーは全身を駆け巡り、我々の身体を力強く躍動させる。大地を蹴り、千切れるほどに腕を振り、心の赴くままに今という時間を走り抜けた末に、その速度をもって我々は明日という空へと羽ばたくのだ。

翼はある。この楽曲がくれる、熱い感情のエネルギー。それが、翼だ。

ラスサビの転調はまさに、人が未来へと羽ばたく瞬間を想起させる解放のメロディだ。そのための力は、日々の積み重ねによってこそ得ることができる力。ゆっくりで良い、少しづつでいい。それはいつか必ず実を結び、無限の力の源になる。そんな希望のメッセージが、この楽曲には込められている。

どんなときも決してあきらめない希望の象徴、プリキュアのテーマソングとしてこれ以上ない楽曲といえるだろう。

もう一つ、歌詞に込められた大きなメッセージがある。それは「絆」の力だ。

傍にいる人との絆で、人はもっと高く飛べる。自分に内包された力以上の力を出すことができる。

数多のプリキュアがそうだったはずだ。最後まで孤独だったプリキュアは誰一人としていない。仲間との絆が、巨大な敵を打ち破る力となった。仲間との絆で、困難を乗り越えていく彼女たちは本当に眩しかった。プリキュア達が20年間変わらず紡いできた物語が、歌詞の中に広がっている。同じプリキュアと、友と、クラスメートと、街の人と。時に敵とさえ心を結ぶ、様々な形の絆がプリキュアという作品を輝かせてきたのだ。

「希望」の力と「絆」の力。プリキュアを支える二つの力を描き切ったこの楽曲は、20周年記念映画の主題歌として他の選択はあり得ない、とさえ言える傑作に仕上がっている。

楽曲のタイトルまで心憎い。20年間、たくさんの嬉しい気持ちを届けてきたプリキュアをそのまま表しているようではないか。

来年も、プリキュアは続く。想いの欠片は、まだまだ降り積もっていく。

きっと皆が眼にするだろう。青空の様に澄み渡る、最高の景色を。

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.206「ピースフルデイズ♪」

「スマイルプリキュア!ボーカルベスト」収録の、キュアピースのキャラクターソング。

作詞・作曲・編曲:塚本けむ

歌:キュアピース(CV:金元寿子)

 

また、本記事で紹介する楽曲の情報を記載する。

「Endless Torch」

作詞:六ツ見純代

作曲・編曲:中山崇史

歌:キュアスカーレット(CV:沢城みゆき)

(以上、敬称略)

 

平和な日々はいつだって、弾ける笑顔に満ちている。

聴き手の耳をくすぐる金元寿子さんの歌声、スキップをしたくなるような心持ちになるリズム、楽曲の程よいスピード。それらが混然一体となり、太陽の光が降り注いだかのような温かさを、この楽曲は聴き手の心に与えてくれる。

そんな温かさの中で描かれるのは、キュアピース=やよいちゃんの物語。頼りなかった彼女が強く、凛々しく、決して折れない心を持った、大きな存在になっていくまでのストーリーだ。

多くのプリキュアがそうであるように、やよいちゃんもまた、仲間とのふれあいによって成長を遂げた女の子だ。その過程を知りたい方は是非本編を見て頂きたいのだが、楽曲の歌詞からもそれが伺い知れる。

彼女はスマプリチームの仲間から、数えきれないほど多くの物をもらった。それらの全てが、彼女を、彼女の心を強くした。歌詞に描かれたやよいちゃんはひたすらに前向きだが、当初の彼女はそうではなかった。この楽曲は、1年を通して彼女が受け取った物に対するアンサーソングとしての一面もある。

ボーカルベスト(1月発売)に収録された楽曲であるため、キャラソンで表現されるものは1年間の集大成であることが多い。それでも、ネタバレにならない程度にキャラを描いているのがキャラクターソングというコンテンツだ。

あくまで、「匂わせ」程度に描写をとどめている。「Endless Torch」などが良い例だろう。キュアスカーレットというキャラの核心に触れつつも、ネタバレをされたという思いにはならない。むしろ、このキャラのことを、このキャラが出演するシリーズをもっと知りたいという気持ちにさせてくれる楽曲になっている。

この楽曲を聴いてからスマプリを見るということは、やよいちゃんのライジングを知るという楽しみ方もできるということだ。楽曲自体にネタバレ要素が無いので、ストーリーを楽しむ上でも悪影響はない。

そんな濃密なメッセージを持ったこの楽曲は、それでも最後まで明るく、平和に進行していく。彼女が歩んできた物語は、誰もが描くことのできる物語であることを示すかのように。曲のタイトルが示している。平和な日々―Peaceful days―を生きる全ての人に、熱い成長のドラマが必ずある。皆に誇れる物語が、誰の心にも眠っている。

それを思い出した時、零れる、弾ける。あなたにとっての、最高の微笑みが。

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.205「情熱!∞(むげんだい)」

「ふたりはプリキュア ボーカルアルバム2 Vocal Rainbow Storm!!~光になりたい~」収録曲。

作詞:六ツ見純代

作曲:小杉保夫

編曲:大石憲一郎

歌:五條真由美

(敬称略)

 

人は誰もがヒーローに、ヒロインになれる。

「ふたりはプリキュア」の出現は、子どもたちの心に大きな衝撃を与えたことだろう。女の子だって戦える、女の子だって、英雄になれるんだと。誰も想像していなかった様な世界を彼ら、彼女らに見せつけたのがプリキュアだったのだろう。

この楽曲は、そんなプリキュアの世界を象徴している楽曲の一つかもしれない。

はっきり言おう。少し前までなら、この楽曲が活躍するのは仮面ライダーやスーパー戦隊であったはずだ。嵐の如く勇壮に駆け抜けるメロディ、唸るエレキギター、五條真由美さんのしなやかでカッコイイ歌声、そしてハイスピードなメロディの中で描かれるスリリングな敵との駆け引き。歌詞で表現される彼女たちの強い決意は尊く、分厚い。聴いているだけで血が沸き立つ、そんな感覚が全身を駆け巡る激熱な歌だ。それは間違いなく、「男の子向け」の作品でこそ活きるものだっただろう。

それを敢えて、プリキュアという「女の子向け」アニメに持ってきた。そのこと自体が制作陣のメッセージであり、当たり前だった流れを変えるんだという断固たる決意のように思える。そのような楽曲が、「ふたりはプリキュア」には多い。

ヒーロー、ヒロインとしてのキュアブラック、キュアホワイトの姿を全面に押し出したこの楽曲は、女の子向けアニメの歴史に大きな一石を投じたはずだ。同時に、全ての女の子たちの光となったことだろう。彼女たち皆が思ったのではないだろうか。「わたしたちも、ヒーローになれるんだ」と。

「戦う女の子」は様々な女の子向け作品で描かれてきた。だが、それらの多くは魔法や超能力、不思議な力をベースにした戦い方だった。

プリキュアは徒手空拳、己の身をぶつけて戦うヒーローであり、ヒロインだ。それは転じて、特別な力などなくても、誰もが特別な存在になれるというメッセージではないだろうか。

楽曲の内容だけではなく、楽曲の存在そのものを通して作品のメッセージを伝える入り口となったこの楽曲は、数あるプリキュア楽曲の中でも「特別」であるように感じられる。

奇しくも今年の主役が目指す夢は「ヒーロー」。それはある意味、原点回帰と言えるものなのかもしれない。

20年前にこの楽曲が発したメッセージは、確かに「今」に届いているのだ。

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.204「言葉のエメラルド」

「魔法つかいプリキュア! ボーカルアルバム リンクル☆メロディーズ」収録の、キュアフェリーチェのキャラクターソング。

作詞:紘瀬さやか

作曲・編曲:片山修志

歌:キュアフェリーチェ(CV:早見沙織)

(敬称略)

 

溢れ出す、緑の光。それは眩しくも温かい、万物を照らす慈愛の光。

早見沙織さんの凛々しい声が、この楽曲の劇的な幕開けだ。力強くも温かい、彼女にしか出せない歌声が聴き手の心を一瞬で握る。比喩表現ではなく、飲み込まれるのだ。早見沙織さんの、キュアフェリーチェの世界に。

全体的に早めのテンポでメロディは進行する。エレキギター、打楽器、様々な音のパーツが歌に重なり、非常に熱い楽曲に仕上がっている。

言葉というものは、万能だ。人を生かしもすれば滅ぼしもする。それは誰にでも、覚えがあるのではないだろうか。人間の言葉はそれほどに強い力を持つ。

そのことを、言葉の限りに描写したのがこの楽曲だ。

傍にいる人が発し続ける、言葉という名のメッセージ。そのメッセージはキュアフェリーチェ=花海ことはちゃんの内に刻まれ、その心に銀色の雪の如く降り積もっていく。降り積もった力は次第に脈打ち、叫び始める。誰かの支えになりたいと。

止めることのできない想いが、銀の光を緑色に染め上げる。その瞬間、彼女の想いは爆発するのだ。全てを照らす、眩しくも温かい輝きとともに。

力強さと優しさが並び立つこの楽曲は、力強さと優しさを兼ね備えた歌い手が居なければ成立しない。早見沙織さんは、その条件を満たす稀有な歌い手だ。聴き手の心をそっと抱きしめるような優しい歌声。同時に、儚い様でいて芯の通った折れない歌声。慈愛という名の強さを持つその声が、彼女をプリキュアに引き合わせたのだろう。この楽曲の誕生は、「魔法つかいプリキュア!」が始まった時から運命づけられていたのかもしれない。

この楽曲もまた、プリキュアに触れたことのない人にこそ聴いてもらいたい楽曲だ。

強さ、優しさ、儚さ、諦めない心。そして、それらの想いが形作る、光り輝く世界。それは、プリキュア達が守ろうとする世界そのものだ。子ども向けアニメと侮るなかれ、その素晴らしさは大人たちをも魅了する。最高の景色への入り口となり得るのが、この楽曲なのだ。

プリキュアソングは、本当に奥深い。まるで、数多の宝石が眠る鉱脈の様だ。現実の鉱脈と違うのは、毎年新たな宝石が増え続けていくこと。掘り進めるのが、本当に楽しい。

来年はどんな輝きが、我々を待ち受けているのだろうか。

 

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