HALの各種感想・レビュー置き場

プリキュア曲のレビュー・各種感想等を気ままに書いています。

【プリキュア楽曲レビュー】Vol.203「雫のプリキュア」

「キボウノチカラ~オトナプリキュア‘23~」ED主題歌。

作詞:只野菜摘

作曲:高木洋

編曲:馬瀬みさき

歌:キュア・カルテット(五條真由美、うちやえゆか、工藤真由、宮本佳那子)

(敬称略)

 

立ち止まった彼女が見るものは、過去からの想いと明日への決意。

前向きに始まるメロディは、闇に弾ける閃光に似ている。この楽曲はスタートからほぼ一貫して、明るさに満ちた旋律を奏で続ける。ラストもしっとりと、しかしサッパリと締められ、どこか爽快感さえ覚えるほどだ。

だが歌詞に目を向けた時、この楽曲は大きく表情を変える。

1番で表現されているのは将来に憧れ、迷いながらも明日へと進んでいくかつての自分。立ち止まったり、涙を滲ませながらも、その瞳は常に前を向いている。

2番で表現されているのは厳しい現実の壁にぶつかった自分。悲しみや焦り、憤りを抱えながらも、笑顔でそれらに蓋をする。その瞳は何処を向けばいいのか、常に迷い続けている。

楽曲が始まった時点で、主人公はそれらの狭間に立っている。1番では後ろを向き、2番では続く毎日から目を逸らす。過去から迫りくる自分と、目の前にある現実との袋小路に立ち尽くしているのだ。明るく前向きなメロディと、キュア・カルテットのエネルギーに溢れる歌声が、その姿をより鮮烈なものにしている。

幼い頃は将来に憧れ、成長したら現実に打ちのめされる。これは変えられないことなのだろうか。「未来」は、「大人」になることは、辛く悲しいものなのだろうか。

きっと、違う。

人々が迎える明日は、いつだって眩しい。そのことに気づいているかいないか、ただそれだけのことなのだ。楽曲の主人公を取り巻くメロディと歌が最後まで変わらず力強い様に、光は常に隣にある。

クライマックスで表現されているのは、全ての経験と感情を糧に、前へと力強く踏み出す自分。主人公である彼女は決意したのだ。輝く明日へ手を伸ばすことを。

厳しい現実を歌詞で、目指すべき理想を歌とメロディで表現することで、人が飛び立つまでの道程を描いた、今を生きる全ての人々の心を照らす至高のプリキュアソング。

今日はどんなに泣いたっていい。何年、何十年、どれだけ先でも構わない。

いつかどこかで笑えたなら、あなたは充分、素敵な人だ。

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.202「しあわせごはん愛のうた」

「ハピネスチャージプリキュア!ボーカルアルバム1 ~Hello!ハピネスフレンズ!~」収録の、キュアハニーのキャラクターソング。

作詞:六ツ見純代

作曲・編曲:高木洋

歌:キュアハニー/大森ゆうこ(北川里奈)

(敬称略)

 

ありふれた幸せ、それこそが最高の宝物。

誰もが日々味わう喜びにフォーカスを当てたこの楽曲は、とても静かに進行していく。それも当然の事だ。愛や夢、悲しみや憎しみ、希望と絶望、といった特別なテーマではないのだから。

だが、何気なく始まったメロディは、進むにつれて音の厚みを増し続ける。人が時間とともに「当たり前」の重さと尊さを知っていくかのように。特別じゃないものこそが、かけがえのない大事なものなのだということを囁くように、そっと、この楽曲は教えてくれるのだ。

歌詞にも、飾り気はない。どこにでもあるものをメインに据え、そこに山あり谷ありのドラマがあるわけでは決して無い。

それでも、そこに描かれた普遍的な情景はとてもエモーショナルだ。

独り立ちし、結婚し、子どもが生まれ、やがてその子供も巣立ち、人は老いていく。山あり谷ありの人生の中、どの場面においても人を支えるのが、食事だ。それは辛い時も怒った時も、悲しい時も楽しい時も、優しく心を温めてくれるもの。毎日口にするものが作った笑顔の数々を写真の様に切り取り、我々の中にある温かな思い出をそっと呼び起こしてくれるリリックが、本当に素晴らしい。

そのリリックに先述のメロディが重なることで、誰もが潜在的に持っている心象風景の輝きが重く大きく広がっていく。そして、言葉と音のコラボレーションが全ての聴き手にこう伝えるのだ。「ありふれた幸せ、それこそが最高の宝物」なのだと。

この楽曲のテーマにあるものはきっと、世界で一番傍にある、世界で一番尊い幸せ。

あなたの幸せは、どんな形をしていますか?

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.201「勇気の花」

「ドキドキ!プリキュア キャラクターアルバム ~SONGBIRD~」収録曲。

作詞:実ノ里

作曲・編曲:山口朗彦

歌:キュアソード/剣崎真琴(CV:宮本佳那子)

(敬称略)

 

「勇気」とは、未知への一歩を踏み出す力。そこにはきっと、「解放」という名の喜びがある。

眩しいくらいの日の光が、イントロと同時に我々を照らす。爽快感に満ちたメロディは、弾ける笑顔の象徴だ。

弾む旋律はノンストップ。ひと時も足を止めずに駆け抜けていく音の風が、我々の心をも弾ませる。

踏み出した先にあるものは、真琴ちゃんが、キュアソードが望んだ「未来」なのだろう。だが、彼女のバックボーンを考えれば、この明るい歌をどれだけ歯を食いしばって歌ったのかということに思いを馳せずにはいられない。

キャラソンというものは、文字通りキャラの設定や心情などを深く掘り下げる重要なコンテンツだ。

同時に、ネタバレにならない程度にキャラを表現していることもあり、作品の入り口としても機能する。

この楽曲はどうだろうか。

結論から言おう。最低2度は聴いて欲しい。ドキプリを見る前と、ドキプリを見た後。特に、キュアソードの背景とその心情を知った後にこの楽曲を聴いてみて欲しい。

楽曲に対する印象が180度変わる。アイドルである真琴ちゃんが、オーディエンスの前で見せる「笑顔」の重みがこれ以上ない程伝わってくる。

シリーズの入口としての役割を見事に果たしているのだ。キャラソンは基本的に、シリーズを見た人向けに作られている傾向があるが、この楽曲も正直、その例外ではない。

この楽曲の素晴らしさは、真琴ちゃんというキャラクターにかけられたフィルターの見事さにある。シリーズ未見の人が聴いたなら、真琴ちゃんの明るく前向きな側面しか見えないかもしれない。

そんな状態でドキプリ本編を見たならば、きっと素敵な裏切りがある。ステージの上に立つ彼女のプロ根性、心の奥にある陰、それでも滲み出る希望への渇き。

一見ストレートなこの楽曲には、複雑な感情が入り混じっているのだ。それが何なのかが気になった方は、是非ドキプリを見て欲しい。

「アイドル」としての真琴ちゃん、「キュアソード」としての真琴ちゃん。その二面性の狭間にある彼女の心を、わかってあげて欲しい。

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.EX‐4「声優・歌手:吉武千颯さん」

以下に、本記事で紹介する楽曲の情報を記載する。

 

「教えて...!トゥインクル☆」

作詞・作曲:MUTEKI DEAD SNAKE

編曲:生田真心

 

「DELICIOUS HAPPY DAYS♪」

作詞:こだまさおり

作曲・編曲:ヒゲドライバー

 

「ヒロガリズム」

作詞:六ツ見純代

作曲・編曲:ハマダコウキ

※石井あみとの共同歌唱。

 

「All for one Forever」

作詞:こだまさおり

作曲・編曲:森いづみ

※磯部花凜、北川理恵、駒形友梨、Machico、宮本佳那子との共同歌唱。

(以上、敬称略)

 

24歳。彼女の年齢を聞いた時、思わず耳を疑ってしまった。あれほどのパフォーマンスを届けられる人物が、まだこんなにも若いのか、と。「末恐ろしい」とは、正に彼女を指す言葉だ。

「スター☆トゥインクルプリキュア」からプリキュア楽曲を担当し、「教えて...!トゥインクル☆」、「DELICIOUS HAPPY DAYS♪」、「ヒロガリズム」など、数々の名曲を歌ってきた吉武千颯さん。彼女抜きに、令和のプリキュアを語ることは不可能だ。

彼女の特徴として真っ先に挙げられるであろうキュートな歌声は、同じくキュートボイスを得意とするプリキュアシンガー達の中でも、一際独特だ。あえて言葉にするなら、「耳と心を癒す」ような歌声、というところか。心を打ち抜くのではなく、心を優しく抱きしめるようなそれは、非常に高いヒーリング効果を持っている。

そしてもう一つ、見逃すことのできない彼女の武器が、息の使い方だ。一小節の歌い終わりで吐き切る息や歌い始めのブレスなど、癒しの歌声から一転して、聴き手をドキッとさせる魅力が息とともに放たれる。

癒しつつ、心を揺さぶる。そんな攻め筋の多さが、彼女の実力を物語っている。

ライブパフォーマンスも一級品。キレッキレの振付に、会場を明るくする元気いっぱいのMC。歌のピッチ感も最高だ。誤魔化しの効かないライブステージ上にあっても、彼女はラストまで輝きを増し続ける。

そんな歌声とキャラクター性も相まって、気持ちをフラットにする役割をもつED主題歌と彼女は親和性が高い。だが、彼女はきっとOP主題歌でも輝ける。それを証明した楽曲が「All for one Forever」だ。

劇中、オーディエンスの心を最高地点へと連れて行った楽曲で、リードボーカルとしてレジェンドたちを引っ張り続けた圧巻の歌声。作品への気持ちを高める役割を持つOP主題歌に対する適性の高さを、これ以上ない形でファン全員に見せつけてくれた。

彼女は間違いなく、次の20年を牽引する存在になる。いや、もうそうなりつつある。来年こそはどうか、9時前ではなく8時半から、彼女の歌声を聴きたいものだ。

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.200「All for one Forever」

「映画プリキュアオールスターズF」劇中挿入歌。

作詞:こだまさおり

作曲・編曲:森いづみ

歌:吉武千颯&磯部花凜/北川理恵/駒形友梨/Machico/宮本佳那子

(敬称略)

 

オールスターズ楽曲の集大成。この楽曲こそが「プリキュア」だ。

突き抜けるようなイントロの「For“F”」とは異なり、底から込み上げてくるようなイントロが我々の気持ちに火を付ける。始まりの10秒はさながら、熱く燃える導火線の様だ。

それを越えてしまったら、もうこの楽曲からは逃げられない。プリキュアを支えてきたシンガーたちの歌声が、文字通り爆炎の如く押し寄せる。そうなったらもう、飲み込まれる以外に道はない。

メロディの緩急がしっかりしていることも、この楽曲の重要な要素だ。一本調子にならず、ジェットコースターのような興奮を聴き手に味わわせてくれる。

リードボーカルが吉武千颯さんなのも見逃せない。彼女の実力はプリキュアファンなら誰もが知る所だが、今回の歌唱メンバーの中で唯一、彼女だけがOP主題歌を歌った経験が無い。

そのことは彼女の価値を些かも損なうものではないが、OP主題歌というプリキュアの「顔」とも言うべき部分で作品をリードしてきたシンガー達が、次世代のプリキュアを彼女に託す、という構図が何とも心憎いではないか。パート分けでもそれが表現されているので、その点にも注目して聴いてみて欲しい。

この楽曲では歌詞のリピートが行われておらず、そのために歌詞のストーリー性が色濃く打ち出されている。「For“F”」でもそうだったが、この楽曲においても、プリキュアの歩む一年が熱いメッセージで描かれている。

だがこの楽曲が何より強く伝えているのは、「未来」だ。

プリキュア達が戦うのは「未来」の為だ。自分の、友の、見知らぬ大勢の人たちの、可能性に溢れた明日を守るために彼女たちは戦い続ける。その姿が多くの子どもたちを、そして我々大人のファンを魅了し続けてきたのだ。

ラスサビにおいて刻みつける様に繰り返し紡がれるそのメッセージは、20年間変わらずプリキュアが伝えてきた物だ。様々なチャレンジを重ねてきたプリキュアだが、根幹にあるものは決して変わらない。

繰り返すが、この楽曲はオールスターズ映画の楽曲だ。そこに至るまでに積み上げられた歴史が、「プリキュア」という存在そのものが凝縮されている。ましてこの楽曲に込められたそれは、20年分の密度を持った重く強固な物だ。

オールスターズ映画は、決してファンだけの物ではない。プリキュアとは何なのか、プリキュアが何故戦い続けるのか、それを知る入口にもなり得るものだ。

オールスターズ楽曲も、それは同じ。プリキュアを知らない人にこそ、この楽曲を聴いてもらいたいのだ。そして、プリキュアの魂をその心に焼き付けて欲しい。

「プリキュア」が余すところなく詰め込まれた、史上最高の4分50秒。その時間を払う価値は充分ある。

魅力あふれる「プリキュア」の世界へ、踏み出そう、その一歩を!

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.199「For”F”」

「映画プリキュアオールスターズF」OP主題歌。

作詞:青木久美子

作曲・編曲:森いづみ

歌:石井あみ・Machico

(敬称略)

 

鋭く走るギターの音色。その先にあるものは、無限に広がるプリキュアの未来。

入口の音が弾けた刹那、トップスピードで走り出すメロディ。聴き手の腕を力強く引き寄せ、足踏みすら許さないまま映画の世界へと連れて行く。

ひたすらに前向きな旋律は、20周年の先にある景色への期待を否が応にも掻き立てる。僅か10秒余りのイントロに、無限大のワクワクが詰め込まれているのだ。

石井あみさんとMachicoさん、2人の競演も見逃せない。

歌声の質は全く異なる2人なのに、驚嘆を禁じ得ない程にその親和性は高い。ぶつかり合う事は決してなく、歌声がピッタリと嵌る。そして、共鳴する2人の歌声は、楽曲のボルテージを飛躍的に高めるのだ。

歌詞にもまた、20周年の重みが凝縮されている。なぜならそこに描かれているのは「プリキュア」そのものだからだ。不思議との出会い、走り出す心、やがてぶつかる困難。敵との和解もしばしば描かれるプリキュアだが、その部分もしっかり切り取られている。

プリキュア達が1年に渡って紡ぐ物語が、そこにはある。

同時にこの歌詞は、20年の歴史を支えてきた製作陣の気持ちをも代弁している様に感じられる。

初代「ふたりはプリキュア」が始まった時、きっと何もかもが手探り状態だっただろう。シリーズを守り、発展させるために奮闘してきた年月は、困難の連続だったはずだ。そんな制作陣を支えたものはきっと、来週は今週より少しでもいい物を届けたいという思いと、これから描いていく情景へのときめきではないだろうか。

作詞担当の青木久美子さんは、プリキュア楽曲の原点「DANZEN!ふたりはプリキュア」の作詞も行っている。プリキュアのスタートから現在に至るまで、最も長く、深くプリキュアに携わるクリエイターの一人だ。きっと誰よりも、制作陣の苦悩と喜びを感じてきたことだろう。そんな彼女が伝えたかった作り手側のストーリーも、この楽曲に深みを与えている。そのことを意識しながら聴くと、また違った感情が湧いてくるだろう。

多くの人々によって支えられ成長した、プリキュアの歴史が凝縮された楽曲。

だがこの楽曲は、ゴールではない。イントロが想起させる情景がそれを証明している。

この楽曲は、40周年へのスタートなのだ。20周年イヤーは、間もなく終わる。我々ファンも、次の20年を見据えるべき時だ。

20年後にどんな情景が広がっているのか、どんな楽曲が生まれていくのか。胸の高鳴りは止まらない。

だってそこにはきっと、最高の感動が溢れているに違いないのだから。

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.198「プリキュアモードにSWITCH ON!」

「Yes!プリキュア5GoGo!ボーカルアルバム2 SWITCH ON!~そして、世界は拡がっていく~」収録の、プリキュアシリーズ5周年記念ソング。

作詞:青木久美子

作曲:小杉保夫

編曲:籠島裕昌

歌:キュア・カルテット

(敬称略)

 

この楽曲こそが、プリキュアオールスターズのオリジンだ。

5年の歴史を彩ったプリキュアシンガーたちの歌声が、右から左から正面から、全方向から攻めてくる。最後にはそれらが一つに重なり、全てを圧倒する大きなエネルギーとなって聴き手の心を呑み込んでいく。その威光を放てる者は、プリキュアオールスターズをおいて他にはいない。

この楽曲で注目すべきポイントはやはり、プリキュア5周年の歴史が表現されている点だろう。各シリーズのテーマやカラーをピックアップし、わずかの淀みも含まない清らかな流れで楽曲のストーリーが紡がれていく。

それらが最後には、全てのプリキュア達が伝えてきたメッセージへと合流していく。その姿は正に、5年間が凝縮された「プリキュア絵巻」だ。

メロディも、楽曲のストーリー性に大きな役割を果たしている。その最たるものが、各シリーズOP主題歌の歌いだしだ。

ファンなら誰にとっても懐かしいメロディ。それを曲の節目に流すことで、楽曲の世界観を自然に切り替えている。それと同時に各シリーズのメモリーズを想起させ、聴き手の心に波を立て続ける。

5年分の感動が、絶えることなく押し寄せるのだ。そしてその感動が数分という密度に凝縮されて、我々に迫ってくる。

更に、この楽曲は合いの手などを入れやすいライブ向きの構成になっている。聴き手の誰もが、紡がれるプリキュアの歴史に加わる事が出来ることを示してもいるのだ。

各シリーズのプリキュア達が交差する可能性を生み出した、プリキュア楽曲の金字塔にして歴史の転換点。

プリキュアが持つエナジーの激流が、あなたを興奮のるつぼへと連れて行ってくれるだろう。

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.197「ガンバランスdeダンス~希望のリレー~」

「Yes!プリキュア5GoGo!」後期ED主題歌。

作詞:青木久美子

作曲:小杉保夫

編曲:籠島裕昌

歌:キュア・カルテット

(敬称略)

 

無数の楽器とレジェンドたちの歌声が織りなすハーモニーは、荘厳な雰囲気さえ感じさせる。歌い継がれてきた3年間、その集大成がこの楽曲に凝縮されている。

底からこみ上げてくるような音の演出や、中盤のサックスソロなど、ゴージャスさがてんこ盛りなメロディも大きな特徴。そこにキュア・カルテットの歌声が重なるのだから、もうたまらない。

歌詞にも、この曲が「到達点」であるという雰囲気が溢れている。

「ふたりはプリキュアSplash☆Star」から「Yes!プリキュア5GoGo!」まで繋いできたバトンの重みと輝きが満ちているのだ。その源はやはり、様々なプリキュア達が出会い、戦い、あらゆる困難を乗り越えてきた歴史だろう。

3曲に渡って続いてきたこの楽曲のシリーズは、ひとまずここで幕を閉じる。

驚きなのが、3曲とも歌詞やメロディ、楽曲の雰囲気に至るまで、全く異なるという点だ。それぞれがそれぞれ、全く別の輝きを放ち、オンリーワンの感動を聴き手に与えてくれる。断じて、単なるアレンジではないのだ。

とはいえ、同じ曲名を冠しているのだから、全く違う楽曲に仕上げるわけにもいかない。制作陣は本当に苦慮したことだろう。特に、作詞担当の青木久美子さんと作曲担当の小杉保夫さんは、3曲の差別化に大変心を痛めたに違いない。

だが、この3曲が見せたプリキュア楽曲の奥深さが、20年に渡って生み出され続けたプリキュア楽曲群の大きな礎の一つになった。この3曲を抜きに、プリキュア楽曲は語れない。

聴いていないファンがいたら、是非とも聴いて欲しい。そのきっかけに本記事がなれたなら、それは何にも勝る喜びだ。

およそ800曲あるプリキュア楽曲。その山の頂が見られる日を信じて、これからも「プリキュア楽曲レビュー」を描き続けていきたいな。

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.196「ガンバランスdeダンス~夢見る奇跡たち~」

「Yes!プリキュア5」後期ED主題歌。

作詞:青木久美子

作曲:小杉保夫

編曲:多田三洋

歌:宮本佳那子

コーラス:ぷりきゅあ5(三瓶由布子・竹内順子・伊瀬茉莉也・永野愛・前田愛)

(敬称略)

 

前作と比較して、ポップでチャーミングにカスタムされたメロディが特徴的。楽曲の速さもやや抑えられており、子どもたち寄りに製作されていることも伺える。コーラスにプリキュア5チームの声優さんが起用されているのも、子どもたちに親しみと憧れをもって楽曲を聴いてもらおうという思いからなのかもしれない。

メロディだけではなく歌詞にも、前作とは相違点がかなり多い。

プリキュア5のED主題歌だけあって、「夢」や「未来」、仲間がいる事の大切さといったシリーズならではのテーマが前面に打ち出されている。

前作との最大の違いは、悩みや不安、重圧を明るく笑い飛ばすパワフルさだ。

前作にも力強さは勿論あったが全体的に見た場合、そっと背中を支えるタイプの楽曲という印象を受ける。歌詞もメロディも、心を照らす木漏れ日のような優しさに満ち溢れていた。

対して今作は、明日へ向かって力強く腕を引いてくれるタイプの楽曲だ。

負の感情に沈む人の肩に手を添えるのではなく、笑顔で腕をとる。一つ一つの言葉選びに勢いがあり、聴き手の心に発破をかける。

そして、こう囁いて我々を明日へ連れて行くのだ。「この世に生きる一人一人が、特別な宝物」だと。

これには、主人公であるのぞみちゃんのキャラクターも反映されているのかもしれない。彼女が悩める人に出会ったなら、きっとそうするだろうから。

同じ曲名を冠しながら、メロディも歌詞も、伝えたいメッセージも前作とは全く違う。同じ曲だと思って聴き比べたら、きっと新鮮な驚きがあるだろう。プリキュア楽曲の深淵を覗かせてくれる必聴の一曲だ。

 

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【プリキュア楽曲レビュー】Vol.195「ガンバランスdeダンス」

「ふたりはプリキュア Splash☆Star」後期ED主題歌。

作詞:青木久美子

作曲:小杉保夫

編曲:家原正樹

歌:五條真由美withフラッピ&チョッピーズ

(敬称略)

 

3シリーズに渡って歌い継がれた名曲の原典は、どこか大人びていてスタイリッシュ。

そのメロディは子どもたちだけではなく、親御さんたちをも惹きつけたのではないだろうか。聴き手を元気にする明るさと、アクのないしなやかさを併せ持った五條真由美さんの歌声は、この楽曲が持つそうした強みに更なるブーストをかける。

メロディとは対照的に、歌詞はポップで天真爛漫。沈んでいるのが馬鹿らしくなるほどだ。この楽曲を伝説の名曲たらしめているのは正に、メロディと歌詞のデッドヒートによって放たれる輝きだろう。

何より魅力を感じるのが、「頑張る」を連想させる曲名でありながら、聴き手に「頑張る」ことを強要していないことだ。

歌詞にそれが如実に表れている。「今がどうであっても、いつか必ず何とかなる。」大人であれ子どもであれ簡単には持てないその思いの大事さが、歌詞のメインから末端に至るまで、余すところなく表現されている。そのメッセージが結実するのが、ラスサビの転調だ。絶望を拒否する決意を力強く、我々の心に叩きつける。

子どもたちだけではない。一体幾人の大人が、この楽曲に救われたのだろう。どれだけの人間が、この楽曲の持つメッセージに支えられたのだろう。

今を必死に頑張るすべての人に寄り添った、プリキュア史に燦然と輝く人生の応援歌。

発表から今年で17年。いまだに色褪せる気配はない。悠久の時をもってしても、この楽曲を風化させることは決してできないだろう。

 

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